アルメニア共和国は、世界で最初にキリスト教を国教とした国です。アルメニア使徒教会総本山エミチアジン教会は世界遺産で世界最古の教会です。その教会の天井や袖に描かれたハフパット修道院、民族文様など大半は「写し糊」という技法です。ザクロの花や実、杏子の花など糸目の中を塗り潰すのではなく、水彩画のようにフリーハンドで色と色が重なる面白さを活かして彩色しています。
国旗の色を基調色として、アルメニアの歴史に欠かせないカーペットの紋様、数千年の歴史を誇るワインの醸造を意味する葡萄、聖なる果物であるザクロ、心の故郷とされる山々、ストーンシンフォニーなどを博多織の献上紋様に巧みに織り込んで、手織りで織り上げた重厚な作品です。